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  • 自分の体をバロメーターにして、 持続可能な“わたし”を見つける。
  • 一本の美しい線を求めて。 長く描き続けるための体作り。
  • ピークを見極め、 負けないこころとからだを作る
  • ”浄化、鎮静、循環”で、 自分をニュートラルに戻す。
ヘアスタイリスト shucoさん

自分の体をバロメーターにして、
持続可能な“わたし”を見つける。

interview2024.01.26

フランスでヘアスタイリストのキャリアをスタートし、現在は東京を拠点に活動するshucoさん。
毛髪診断士として、髪と頭皮の健康にまつわる知識を広くシェアするほか、自身のアクセサリーブランド〈TRESS〉を立ち上げ、日常を彩るアイテムを提案。ヘアにまつわる仕事を軸に幅広く活動するshucoさんは長年脱毛に悩んでいたといいます。
体の変化をどう受け入れ、どう向き合い続けているのか、日々のケアについて伺いました。

プロフィール

shucoさん
ヘアスタイリスト shucoさん

しゅうこ 東京でサロン勤務を経て渡仏。ヘアスタイリストとして、パリを拠点にモードファッションの業界で活躍。2015年に帰国し、ヘアスタイリスト・毛髪診断士として活動する他、ヘアドネーション活動にも注力。2020年にヘアアクセサリーブランド〈TRESSE〉をスタート。

私のとある一日

自分の体のことを知りたいという探究心

―仕事の日はどのようなルーティンで過ごされていますか?

日によってバラバラなのですが、撮影の日は比較的朝が早いですね。集合が7時とか8時とか。夜中の2時にピックアップが来ることも。CMや広告の撮影は朝から夜遅くまでかかりますし、1日に雑誌の撮影を数件ハシゴしたり。起きる時間も仕事が終わる時間もバラバラで不規則な職業だとは思います。今は働き方を変え、撮影の仕事をあまりたくさんは入れていないので、昼に撮影が終わったら、午後は自分のブランドの打ち合わせをしたり、取材を受けたり。リサーチを兼ねて展示会に行ったりしています。ふだんは遅い時間に仕事が終わることも多いので、ほぼ外食です。

―外食続きで胃が疲れることはないですか?

あります(笑)。なので、食べすぎたなと思ったら、翌日は酵素を飲んで消化を助けるようにしています。酵素は時間がないときも簡単に栄養を摂れるので便利ですね。

―忙しい日々を乗り切るためにどんなメンテナンスをされていますか?

若い頃から自分の体に対する探究心があって、数ヶ月に1度、体のチェックを受けています。服用している薬の関係で血液検査をしないといけないというのもあるのですが、それ以前から遺伝子検査や波動の健診など、体に負担のかからない検査は積極的に受けています。日頃飲んでいるサプリや栄養素がどれだけ自分の体に影響しているのか知りたくて。自覚症状のなかったポリープを発見したこともあって、こまめにチェックしていてよかったなと感じました。

ヘアロスを経験した自分だからできること

―自分の体への探究心が高くなったのは何かきっかけがあったのでしょうか?

9歳の頃から脱毛の症状があり、その原因を知りたいと思うようになりました。親に連れられてよく病院にも通っていましたが、「環境の変化によるストレス」と診断されることが多く、具体的な原因がわからずに、なかなか改善しなかったんです。私の場合、さまざまな病院で検査を受け続けた結果、免疫に異常があるとわかったので、薬を飲み始めたのですが、自分に合う薬にたどり着くまでにも長い時間がかかりました。

脱毛症は命に関わる病気ではないからか、研究があまり進んでいないように感じます。先生によって見解もバラバラ。だから、一人の先生の意見を鵜呑みにするのではなく、自分が納得できるようにいろんな情報を集めて、治療法を見つけるしかないと思って。それでいろんな検査をしたり、生活習慣の見直しをするようになったんです。

脱毛は男女関わらず、悩まれている方は少なくないと思います。ただ、打ち明けづらく、人と悩みを共有しにくい。毛髪診断士の資格を取ったのも自分の経験があったから。知識をシェアしたり、取材でお話しすることで、悩んでいる人の助けになれたらと。

ヘアロスは食事や生活習慣など原因を一つに絞ることが難しいので、少しずつ今の生活を見直すという自分を知る作業が必要になってくると思うんですね。

私もたくさんのトライ&エラーを繰り返しながら、ようやく納得できる治療法に巡りあえました。ただ、今服用している薬が今後合わなくなるかもしれない。情報に振り回されず、自分のことを観察しながら、その時々の”いい状態”をつくることが大事だなと。

自分の体がバロメーター。まずは無理をしないこと

―具体的にはどういうメンテナンスをされていますか?

撮影の日は立ちっぱなしの時間が長く、展示会巡りの日はたくさん歩くので、体の疲れはその日のうちに取るようにしています。家で愛用しているのがマッサージガンです。ふくらはぎや肩の周り、股関節など凝りを感じるところに当ててほぐすのですが、これを使うと体の疲れが軽くなるので手放せなくなりました。今通っているパーソナルトレーナーの先生にマッサージガンの使い方を教わってから、体の可動域が変わったんです。マッサージや整体に行くと「いつもよりほぐれてますね」と言われるので効果を実感しています。小さいサイズは出張や旅でも持ち歩けるので便利。撮影現場にも持参して、モデルさんの背中をほぐすこともあります。

―心のケアはどうでしょうか?

キャンドルを焚いて、気持ちの切り替えをしています。たとえば、柑橘系のキャンドルは気持ちがすっきりするので朝に焚いたり、ウッディな香りのキャンドルはリラックスしたい時に焚くことが多いです。キャンドルは香りが強すぎないので、匂いが混ざっても気にならないのがいいですね。朝、窓を開けて空気を入れ替えてからお香を焚くことも。空気が浄化された気持ちになります。時間がない時もお香を焚くという一手間をかけることで、心に少し余裕が持てます。

気分の浮き沈みはあまりない方ですが、日頃からたくさんの人と会うので、一人で過ごす時間を積極的に取るようにしています。家でゆっくりナチュールワインを飲む時間が何よりのご褒美です。甘いものを食べないので、その代わりになっているのかも。ほぼ毎日飲んでいるので、あまり体に良くないのかもしれないですが(笑)。

―我慢はしないですか?

我慢してみたいとは思ってはいるものの(笑)、脱毛が激しい時や体の疲れを感じやすい時はだいたい無理をしているので、あまり自分に厳しくしすぎないようにしています。体がバロメーターですね。

持続可能な働き方を探し続けて

自分の足で立ち、どれだけ長く、楽しく働き続けられるか。日本に帰国してからずっと模索していました。撮影の仕事は楽しいけれど、体力的に長くは続けられない。じゃあ、何ができるだろうって。

新型コロナウイルスが広がり始めた頃、仕事が一時的に減って自分の時間を持てたので、以前から構想していたヘアアクセサリーのブランドを立ち上げました。最初はわからないことだらけで、やることも多いし、本当に大変だったんですけど、できないことは思い切って人にまかせるようになってからうまく回り始めました。今は撮影の仕事、自分のブランドの仕事、クライアントワークなどの仕事を1:1:1でやっていて、バランスがすごくいいんです。

以前はヘアの仕事だけを突き詰めてやるほうがプロフェッショナルでかっこいいし、それ以外のことは手を出してはいけないと思い込んでいました。でも、考え方が変わって、できることをできる範囲でやってもいいんじゃないかと。私は食べることもインテリアを考えることも好きだから、来年ローンチ予定のブランドはライフスタイル全般にかかわるものを提案する予定なんです。

―ものを生み出す仕事、現場でヘアを作り上げる仕事、どちらも高いクリエイティビティが求められると思いますが、いいアイデアが生まれるために心がけていることはありますか?

人に会うことでいいアイデアが浮かぶことが多いので積極的に外に出るようにしています。人と話していると「こういうのがあったらいいな」とか「これはかわいいな」とか、想像が膨らんでいくのが楽しくて。

もともと旅好きなので、積極的に機会を作って海外に行っています。新しいものを見たり、そこで出会った人から受ける刺激が仕事のアイデアにもつながる。これからも好きなこと、興味のあることを仕事につなげていきたいですね。

フェイバリット favorite 使い続けたいもの

師匠が作った、ヘア スタイリストバッグ

仕事を快適にしてくれる大事な相棒、何気ない日常を彩る日用品など、“いつもの自分”をつくってくれる、お気に入りのアイテムはありますか?
これまでも、これからも、長く使い続けたいものを教えてください。

師匠のトモヒロ・オオハシさんがオリジナルで作っているヘアアーティスト用のバッグは一生物。アイロンやドライヤー、ヘアスプレーを立てかけられて便利なんです。美しい仕事道具を持つとモチベーションも上がりますね。

ドリンク drink お風呂上がりの一杯

炭酸で割った 酵素ドリンク

私たちのチームは「お風呂と健康」について長年、研究してきました。心をほぐし、体をしっかり温めてくれる入浴タイムの後、喉を潤すためにどんなドリンクを飲んでいますか?
愛飲している一杯を教えてください。

普段から愛用している酵素ドリンクを炭酸割りで。酵素ドリンクはお酒の分解を助けてくれる効果もあるそう。アルコールをたくさん飲んでも、酔いにくい気がします。

Photo/Yu Inohara

Text & Edit/Mariko Uramoto